独立や副業を考え始めると、「フリーランス」という言葉に加えて「ソロプレナー」という言葉を目にする機会が増えてきます。
どちらも「一人で働く」イメージがありますが、実際には働き方そのものというより、考え方や収入の作り方に違いがあります。
本記事では、
- どちらが正解かを決める
- どちらが稼げるかを煽る
といったことは目的とせず、独立前に整理しておきたい違いを、現実的な視点で解説します。
フリーランスとソロプレナーの違いとは
結論から言うと、違いは肩書きではありません。
- フリーランス：仕事を請けて収入を得る働き方
- ソロプレナー：一人で事業を作り、育てる考え方
同じ「一人で働く」でも、収入の発生源・時間の使い方・リスクの取り方が異なります。
フリーランスとはどんな働き方か
フリーランスとは、企業に雇用されず、業務委託などの形で仕事を請け負う働き方です。エンジニア、デザイナー、ライター、マーケター、営業支援など、スキルを提供して対価を得る仕事が中心になります。
法律上の明確な定義というより、「雇用されていない個人で仕事をする」という実態を指す言葉です。
フリーランスの収入は、基本的に以下のような形です。
- 時間単価・月額固定
- 案件単位の報酬
- 成果報酬型（割合は少なめ）
特徴としては、「働いた分だけ収入になる」「稼働時間と収入が連動しやすい」という点が挙げられます。
フリーランスのメリットと注意点
フリーランスのメリットは、「独立しやすい」「収入の見通しを立てやすい」「会社員時代のスキルを活かしやすい」といった点があります。
一方で注意点としては、「稼働を止めると収入も止まりやすい」「クライアントに依存しやすい」「単価を上げないと収入が頭打ちになりやすい」という点があります。このように、フリーランスは、「労働を切り売りしている感覚」になりやすい点も理解しておく必要があります。
ソロプレナーとはどんな働き方か
ソロプレナー（Solopreneur）は、一人で事業を運営する起業家という意味の言葉です。
重要なのは、「法人か個人事業か」「社員を雇っているかどうか」ではなく、自分で商品・サービスを設計し、事業として考えているかという点です。
ソロプレナーの収入は、以下のような形を取ることが多くなります。
- 自分の商品・サービスの販売
- サブスクリプションや継続課金
- コンテンツ・仕組みを通じた収益
特徴は、「労働時間と収入が必ずしも比例しない」「仕組みができるまで時間がかかる」という点です。
ソロプレナーのメリットとリスク
ソロプレナーのメリットは、「収入の上限を設けにくい」「仕組み化できれば時間の自由度が高い」「クライアント依存から抜けやすい」という点にあります。
一方でリスクとしては、「立ち上げ期は収益が不安定」「売れるかどうかは自分次第」「事業設計の難易度が高い」という点です。ソロプレナーは、短期的な安定よりも、中長期の設計を重視する働き方と言えます。
フリーランスとソロプレナーの違いを比較
以下に、フリーランスとソロプレナーの違いをまとめてみました。どちらが良い悪いではなく、フェーズと目的が違うと考えるのが現実的です。
| 観点 | フリーランス | ソロプレナー |
|---|---|---|
| 仕事の起点 | 依頼される | 自分で作る |
| 収入の性質 | 労働対価 | 事業収益 |
| 安定性 | 比較的高い | 初期は低い |
| 収入上限 | 稼働に依存 | 設計次第 |
| 難易度 | 低〜中 | 中〜高 |
独立前に考えておきたい選び方の軸
1. 安定性を重視する場合
- 生活費を確保したい
- いきなりリスクは取れない
- スキルを活かしてすぐ収入を得たい
この場合は、フリーランスから始める方が現実的です。
2. 中長期の自由度を重視する場合
- 将来的に時間の自由度を上げたい
- 収入の上限を広げたい
- 事業づくりに興味がある
この場合は、ソロプレナー的な視点を持つ価値があります。
ただし、最初から安定を求めすぎないことが重要です。
途中で切り替えることもできる
フリーランスとソロプレナーは、完全に別物ではありません。実際によくある流れは以下の通りです。
- 副業やフリーランスとして独立
- 収入と経験を積む
- 自分の商品・サービスを作る
- ソロプレナー的な働き方に近づく
最初からどちらかに決め切る必要はありません。
まとめ｜肩書きより「今のフェーズ」が大事
フリーランスとソロプレナーの違いは、どんな収入の作り方をしているかにあります。
重要なのは、「今の自分の状況」「取れるリスクの大きさ」「目指したい働き方」を整理することです。
言葉に振り回されず、自分のフェーズに合った選択をすることが、独立を長く続けるための現実的な考え方と言えるでしょう。
副業やフリーランスを始めるための全体像やステップについては、以下の記事で整理していますので、ぜひご覧ください。
